スマホ1台で介護記録!アプリで変わる介護の仕事

介護の現場では、日々の記録業務が欠かせません。
食事、排泄、入浴、バイタル、行動、表情、言葉……その一つひとつを丁寧に記録し、申し送りや介護報酬の根拠資料として管理することは、ケアの質と事業運営の両面で非常に重要です。

とはいえ、記録は「手間がかかる」「時間が取られる」「残業の原因になる」という悩みの種でもあります。
そんな中、今注目されているのが、**“スマホ1台で完結する介護記録アプリ”**の導入です。

この記事では、スマートフォンを活用した記録のメリット、実際の使い方、現場の変化、注意点などを幅広く紹介しながら、**「アプリで変わる介護の仕事」**の可能性を探ります。


スマホで介護記録ができるってどういうこと?

タブレットからスマホへ、さらに「手のひらのDX」へ

これまでの介護記録のICT化といえば、タブレットを使ってソフトに入力するスタイルが主流でした。
しかし、現在ではタブレットよりもより小回りの利くスマートフォン対応の記録アプリが登場し、“その場で・片手で・短時間で”記録が完了するという流れが広がっています。

たとえば、以下のような使い方が一般的です:

  • 利用者のQRコードを読み取り、記録対象を選択
  • 食事や排泄、入浴の項目をタップで選択・入力
  • 音声入力機能で状況をナレーション的に記録
  • 写真を撮影して、そのまま記録に添付
  • 入力内容は自動でクラウドへ保存・共有される

このように、スマホだけで記録→保存→共有までがシームレスに行えるのが、アプリ記録の最大の特徴です。


どんな業務が「スマホ1台」で効率化できるのか?

記録入力の時間が短縮される

紙に手書きしていた頃は、記録に10〜15分かかっていたという職員も、スマホ記録では平均2〜5分程度で完了するようになります。
定型文の選択やスタンプ入力、音声入力機能を活用すれば、入力のスピードは格段に向上します。

情報の共有・確認がリアルタイムに

紙の記録は職員室に戻らないと見られないもの。
スマホ記録なら、その場で入力された内容がすぐ他の職員のスマホに共有されるため、申し送りの精度が高まり、“気づき”の共有も早くなります。

写真・音声・位置情報など多彩な情報を活用

口頭だけでは説明しづらい皮膚の状態や、認知症の方の表情の変化なども、スマホのカメラやマイクで視覚・聴覚的に記録できるため、より正確で共有しやすい情報管理が可能になります。


実際に導入した現場の声

デイサービス(職員12名)

スマホ記録アプリを導入して半年。
職員の記録時間は、1日あたり合計で2時間以上削減され、記録残業がほぼゼロに。
利用者のレクリエーション参加状況も、すぐに振り返られるようになったことで、個別ケアの質が向上したという実感があるそうです。

小規模多機能ホーム(職員8名)

ベテラン職員からは当初「操作が不安」「機械に頼りすぎるのは嫌だ」という声もあったが、

  • 大きな文字の入力画面
  • 写真付きマニュアル
  • “記録し忘れアラート”機能
    など、現場に寄り添った設計が功を奏し、3ヶ月後には全職員が定着

「指で選ぶだけだから意外と簡単だった」「間違ってもすぐ修正できるから安心」との声もあり、今ではスマホがないと不安になるほどになったとのことです。


スマホ記録のメリットと課題

メリット

  • 時間削減: 業務中にサクッと記録、持ち帰り仕事が減る
  • 情報精度向上: 写真・音声・リアルタイム共有で正確性UP
  • 誰でも使いやすい: UIがシンプルで直感的に操作できる
  • 場所を選ばない: ベッドサイド・送迎車内でも記録可能
  • セキュリティ: ログイン管理・データ暗号化も進化中

課題

  • 端末の取り扱い管理: 落下・紛失・不正利用リスクへの備えが必要
  • Wi-Fi環境の整備: 安定した通信環境が不可欠
  • スマホへの抵抗感: 高齢の職員には丁寧なサポートが必要
  • 過信のリスク: “データだけで判断しない”という意識も必要

アプリ導入時に押さえるべきポイント

1. 「どの業務をアプリ化したいか」を明確にする

すべてを一度に変えようとすると混乱の元になります。
まずは「食事」「バイタル」など、記録項目を絞って試験導入することが成功のカギです。

2. 無料トライアルやデモ体験を活用する

ほとんどの介護記録アプリには、1〜2ヶ月の無料体験期間があります。
実際に触ってみて、自分たちの業務と合っているか、職員の反応はどうかを確かめてから正式導入するのが理想です。

3. 職員教育とサポート体制を忘れずに

アプリの操作は簡単でも、「なぜ使うのか」「何が楽になるのか」を丁寧に伝えることが大切です。
**若手職員がサポーターになる“ICTバディ制度”**なども定着には効果的です。


まとめ:スマホ1台が“介護の働き方”を変える

スマホ記録アプリは、単なる業務効率化ツールではありません。
それは、介護職員が「現場に集中できる時間」「利用者と向き合えるゆとり」を取り戻すための、大きな一歩です。

  • 残業が減る
  • 情報共有がスムーズになる
  • 利用者の小さな変化にすぐ気づける

そんな日常を、“手のひらの端末1つ”で実現する時代が、すでに始まっています。

現場を支える記録。
それが苦痛ではなく、「楽しく、ラクに、質が高い」ものへと変わる――
そんな変化を、ぜひあなたの職場でも実感してみてください。

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